「メーデー」とは?
ゴールデンウィークの頃になると、毎年ニュースで取り上げられる「メーデー」。全国で10万人以上が参加する大イベントですが、その起源は意外に知られていません。
メーデーは、英語で書くと“May Day”。ヨーロッパでは「夏の訪れを祝う日」として古くから祝日とされてきましたが、始まりは1886年の5月1日、アメリカのシカゴで、1日12~14時間勤務が当たり前だった労働環境の改善を求めて労働者がゼネラルストライキ(全国的な規模で行われる労働争議)を起こし、8時間労働の実現を要求したことに由来します。
以降、労働者たちが集まり、権利を主張する日として、ヨーロッパをはじめ各地に広がったのがメーデーです。
今では5月1日を「労働者の祭典」として祝日とする国も多く、世界中で労働者たちのイベントやデモ行進などが行われています。
日本も例外ではありません。毎年この時期に大規模なイベントが全国で開催されます。
日本では1920年5月2日に第1回メーデーが東京・上野公園で開かれました。第二次世界大戦中は政府により開催が禁止されましたが、戦後、労働組合の活動再開とともに再び開かれるようになり、日本の労働者の地位や労働条件の向上、権利拡大をはじめ、人権・労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求に深く貢献し、その役割を果たしてきました。
メーデーには各産業別に組織される産業別労働組合組織(産別)や産別を構成している単位労働組合(単組)から組合員が結集し、労働者の地位や労働条件の向上にとどまらず、人権や労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求など、社会に向けてメッセージを発信しています。
またメーデーは、産別・単組の垣根を越えた組合員同士の貴重な交流の場でもあります。会場では、さまざまな組織・団体がブースを出展し、ステージショーや子ども向けの参加型イベントなども開催され、家族みんなで楽しめるイベントへと発展しています。
「労働者の団結と主張の場」から「働くすべての仲間の祭典」へ。メーデーの位置づけは、時代の流れとともに変化しているのです。